熊野古道 乳岩・胎内くぐり~藤原秀衡の伝説を訪ねて~

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乳岩

熊野古道が世界遺産に指定されて20年目を迎えますが、熊野古道には多くの伝説や言い伝えが残っています。今回紹介する乳岩の伝説もそのうちの一つです。

乳岩は、滝尻王子から15分ほど登った所にあります。大変厳しい山道ですが、健脚の方なら15分もかからないかと思います。

紀伊続風土記には、乳岩について次のような記述があります。
平安末期の武将、奥州平泉の藤原秀衡が妻と熊野詣でに来た際、妻が急に産気づき、乳岩で出産しました。
安産では合ったようですが、その夜、夢枕に立った熊野権現からお告げがありました。「赤子を連れて熊野詣ではできない。乳岩に赤子を残して、旅に出なさい。赤子は大丈夫です」
秀衡夫妻はお告げを守り、旅を続けました。子は山のオオカミに守られ、岩からしたたり落ちる乳を飲んで、両親が帰ってくるまで無事に育ったということです。これに感激した秀衡は熊野権現の霊験に感謝し、滝尻の境内に七堂伽藍(がらん)を造営して経典や刀などの宝物を奉納したと伝えられています。

生まれたばかりの赤ちゃんを残して旅を続けるなんて、現在の常識では考えられませんが、この熊野古道がそれだけ神聖な場所であったという事かも知れません。また、地域では、乳岩の奥にある丸い岩をさすりながら、「乳がよく出ますように」「乳の病(乳がん)になりませんように」と祈ると良いと言われています。

胎内くぐり

女性が、小さな隙間をくぐると安産が出来ると言われているのが胎内くぐりです。中は狭く、特に出口は本当に出られるのと思われそうな空間です。
赤ちゃんの誕生も、大変なのだろうと感じました。ぜひチャレンジして下さい

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